1997.11.5. 環境特別委員会 質疑内容 (要約)


愛知万博における環境保全、及び地球温暖化防止京都会議への政府の取り組みについて

 

(末広議員)環境庁長官にご就任おめでとうございます。まずは新しい環境庁長官に、愛知万博のアセスに対するご決意をお伺いします。

(大木環境庁長官)愛知万博に関する環境アセスについては、万全の体制で行われるよう、環境アセスメント法の精神を先取りして、しっかりやっていきたいと考えています。 

(末広議員)どうすれば自然との共生が可能か?どうすれば自然の生態系を守れるのか?よろしければ環境庁長官のビジョンをお聞かせ下さい。

(大木環境庁長官)愛知万博に関しては、自然環境への影響について、できる限り配慮したものと考えています。生態系への影響についても、十分にご理解いただける範囲であると考えています。

(末広議員)愛知万博に関しては、私はかねてより複数会場開催を提案してきております。ご存知のように名古屋には、国鉄清算事業団の土地「笹島跡地」がございます。ここでバーチャル万博を行って、海上の森への見学者数をできる限り削減し、自然生態系への負荷を軽減したい。そして可能な限りの緑を残したい、と思っておりますが、長官の率直な気持ちはいかがですか?

(大木環境庁長官)笹島跡地の利用については、別のところでいろいろと計画がされ、検討もされておりますので。

(末広議員)愛知万博の現在の計画は、まだいくつかの点で問題を抱えています。その一つが自然の生態系の保護に関してです。具体的に申しますと、海上の森は東西のいくつかの川に沿って自然生態系の分布が見られます。ところが残念なことに、現計画では南北に二つの道路が通ることになっています。これで自然の生態系が守れるのか、アセスメントの調査に大きな関心を寄せています。環境庁長官のご見解をお聞かせください。

(大木環境庁長官)道路計画があることは承知しております。私の聞いたところでは、この道路によって環境に大きなダメージがあることはないだろうということです。しかしながら、アセスメント調査はしっかりやらなければならないと考えております。

(末広議員)愛知万博に関する質問はこれくらいにして、次に12月に開かれる地球温暖化防止京都会議について質問します。先日ドイツのボンで開かれた準備会合では、日本政府とNGOの間にぎくしゃくしたところがあったように報道がされています。今後NGOの役割は重要なものと考えており、政府がNGOを軽視するようなことがあってはならないと私は考えます。ところで京都会議には、何団体のNGOの参加が見込まれているのでしょうか?また、この参加団体への対応はいかが考えておられるのでしょうか。

(大木環境庁長官)国民の代弁者としてNGOの役割は今後ますます重要なものになると考えています。環境保全の面から見ても同様です。政府としても、適切に意見交流の場を設けるなどして、NGOとの協力を得たいと考えています。

(環境庁課長)NGOの参加数は、条約事務局が取りまとめ中ですので、現段階では確定していません。しかし見込みでは200団体くらいになるだろうと思われます。

(末広議員)温暖化ガス削減の数値目標についての日本案が先日発表されましたが、議長国としてとても恥ずかしい内容です。業を煮やしたEUは、「日本じゃ話にならん」と、米国に直談判に出かけました。議長国として外交戦略的に大丈夫なのかと心配になりますが、その点いかがでしょうか。

(外務省課長)日本案は交渉における一つの案として出しているものです。これを今後議論を重ねる中で、ある方向へ収斂していくのではないかと考えます。EUが米国に直談判に出かけたということですが、関係各国が協議を重ねること自体は、議論が収斂していくうえでプラスになるのではないかと考えます。

(末広議員)もし万一、会議がまとまらないという結末が予想されるのなら、なおさら具体的に、目に見える形で、日本が率先して温暖化ガス削減に努力する姿を、見てもらう必要があるのではないでしょうか。ここはひとつ開催都市である京都市自らが、温暖化ガス削減策の実行を、目に見える形で示していただく必要があるのではないかと思います。会議の取りまとめはできなかったけど、温暖化ガス削減の手本となるような、努力する姿を各国に示見てもらう。それくらいの誠意を示す必要があるのではないかと思いますが、何かいい方法はないものでしょうか。

(大木環境庁長官)地球温暖化対策のみならず、ひろく環境保全への努力する姿を、参加者の方々に見ていただくのは大切なことだと思います。京都市においても、環境保全にむけて独自の取り組みをしていると聞いています。  

戻る