愛知万博にもの申す
愛知県瀬戸市には「海上(かいしょ)の森」と呼ばれる不思議な名前の地名があります。
大都市・名古屋から1時間しか離れていないこの森には、静かな雑木林が広がり、まさに緑のオアシスといった趣です。また、絶滅の危機に瀕するシデコブシの群落が確認されるなど、学問的見地からみてもたいへん重要な地域です。
ところが2005年に、愛知万博、この「海上の森」を会場に開かれることになりました。そうなれば、この豊かな自然が破壊されることは必至です。
私は万博構想段階から、「海上の森を守ろう」と叫びつづけてきました。以下は海上の森と愛知万博についての私の発言記録です。
選挙公報では....
・ 自然との共生〜瀬戸での愛知万博は時代に逆行するものです。
万博テーマについて....
・ メインテーマ「技術と文化との交流」と、サブテーマ「自然との共生」は水と油のようなもので、不自然だ。
・ (県の構想について)環境に配慮しているというが、あれはまやかし。サブテーマである「自然との共生」をメインテーマとしてほしい。
・ 私は選挙公約で掲げた「共生」というキーワードのもとに、自然と破壊するような瀬戸の海上の森での万博には反対すると表明して参りました。その結果、万博の規模縮小とシデコブシ群落の保存が閣議決定されました。
万博会場について....
・自然環境の保護は世界の趨勢。なぜ瀬戸の森を壊すのか。
・大阪万博で登場した千里ニュータウンが、今や高齢者タウンで、一人暮らしが増大。愛知万博会場も先行きゴーストタウンになる恐れがある。
・立ち木トラスト運動はきわめて有効。この運動をさらに進めていきましょう。
・私は愛知万博自体に反対するものではないが、瀬戸を会場とすることに危惧を抱いている。
代替案....
・瀬戸の森はエコ・ミュージアム(自然史博物館)として残せばよい。
・笹島国鉄跡地をバーチャル会場にして、森に入らずにマルチメディア万博にしてはどうか。
・瀬戸の陶土採掘地の痛ましい大地の姿、通称「日本のグランドキャニオン」を緑の土地に復元する万博にしてはどうか。
万博の意義について....
・世界景気が右肩下がりの時代に、万博は時代遅れ。
・万博による経済の活性化は一時的なもの。あとで物価高の影響が出るのは大阪万博で実証済み。それよりは「森の野外博物館」を。
その他....
・庶民の声を無視して、県の推進プランが一人歩きするのはいかがなものか。
・万博が終わった後に、広く住民に還元され、財産として残され得るものがあるのだろうか。それをきちんと説明して欲しい。